2月1日 急に寒くなったが、「温室」の中は18℃前後とアリたちにとっては快適だろうという温度だ。
そのためであろうか?チクシトゲアリのワーカーが外に出ているものが出始めた。
いわゆる「斥候」という感じだ。
そんなに活性はないが、蓋や餌場のところに数匹が出ていた。
そろそろ肉餌の投入時期なのかもしれない。
2月2日 チクシトゲアリ、チューブに入るワーカーの数が少し減った。
ということは試験管に引っ越したということなのだが、何が彼女たちの引越しを決定付けているのだろうか?
最近忙しくてペットショップに行けなかったので、明日にでも肉餌としてミールワームを買いにいかなくてはならない。
2月3日 パソコンのセットアップに手間取ってミールワームは購入したものの、放置だった。
クロオオアリは温度が高いせいだろう、ふたを開けて光が差し込むとすごい勢いで働きアリが容器内を走り回る。
ムネアカオオアリ&ミカドオオアリの混成コロニーでは両方とも静か。
差異があって面白い。
2月4日 予定通り、竹割りにいった。
場所は、最初能勢のほうを予定していたが、諸般の事情で堺市、鉢が峰になった。
一昨年に訪れていたが、改めて墓の多さに驚いた。
よさそうな竹林を見つけて割ったら、ベニカミキリと思しきカミキリムシが出てきた。

上のものとは別の個体

その後、移動しながら場所を探していたら奥まっていて割と大きな竹林があったので行った。
そうしたら・・苦笑。一昨年のオフ会で竹を割ったまさにその林だったのだ。
よほど場所を変えようかと思ったが、とりあえずそこで割ってみた。
日当たりのいい場所に転がっていた枯れ竹を割るとルリアリと思われる小さなアリが出てきた。

小さなアリは採集しないと決めていたので、パス。
その後、竹林に入り、竹を割ったが、以前ほどアリは出ず、わずか1コロニー、ミカドのサテライトが出ただけだった。
鉢が峰寺のほうに行けばもっとあったかもしれないが、今回はこれくらいにしておいた。
ヨツボシオオアリかウメマツオオアリでも出たら面白いと思ったのだが・・
2月5日 チクシトゲアリに昨日ミールワームを1匹切断して与えた。
今日になって見てみたら肉の部分を食いつくし、若干だが外皮の部分すらかじっていた。
幼虫が割といるとはいえ、この肉に対する食欲にはびっくりした。
2月6日 ムネアカオオアリの元に嫁いだミカドオオアリの働きアリのうち、2匹の腹部がすごく大きい。

これまではえさを与えても腹部がこんなボンレスになることはなかったのだが、一体どうしたことだろうか。加温の影響だろうか?
しかし、女王の腹部は小さいまま。産卵するのか?
2月8日 クロオオアリで産卵を確認した。卵は現在4個。
加温をはじめて約2週間だった。
ムネアカオオアリはまだ、産卵していない。ムネアカオオアリは卵をきちんと産んでくれるか、少し不安だ。
2月11日 名著「蟻の自然誌」の最後にアリの飼育法のページがある。
そこに「バタカーの人工飼料」というものがある。
レシピは卵1個、蜂蜜62ml、ビタミン類1グラム、ミネラルと塩類1グラム、寒天5グラム、水500mlというものである。
これとコオロギやコメノゴミムシダマシの死骸などとともに週に3回与えたらいいと書いてある。
作ってみた。
ビタミンは、マルチビタミンの粉薬かカプセルがあれば、と思って探したが見つからなかったので、卵のビタミンに頼ることにしてパス。
ミネラルと塩類はポ○リスエットの粉末にしてみた。
そうして出来上がったのだが、この餌、kuroyagさん考案の卵の餌を固めただけのようにも思うのだが・・メイプルを今朝与えたばかりなので、餌の嗜好は今後見ていくことにしたい。
2月12日 ムネアカオオアリに卵をひとつ確認した。女王の腹部はぜんぜん変化がないのだが、これで一安心。一匹だけいる若齢幼虫もやや大きくなったような印象だ。
クロオオアリも一日一個くらいのペースで卵が増えているようだ。
2月13日 チクシトゲアリなのだが、試験管から出てきて飼育容器の壁面にたむろしているのが増えてきている。女王と幼虫は試験管内部にいるのだが、一体どういうことなのだろうか?
そういえば去年飼育していたチクシトゲアリが壊滅したときも巣部屋を放棄していたのだが、杞憂に終わることを願ってやまない。
2月14日 チクシトゲアリだが、容器を温室内から明るい部屋に出してやると活動が活発になる。
温室内はほぼ真っ暗なので、採餌に影響しているのでは?と思い、少し明るい部屋の中に出してやる時間を設けてやることにした。
久々にチクシトゲアリの写真を撮影してみた。
一枚目。昨日届いたコオロギの死骸を食う働きアリ。一日でほとんど食い尽くしてしまう。

2枚目。試験管内部のチクシトゲアリの「巣」の内部。幼虫が少し育ってきているようで、採集してきた時より幼虫に透明感というか艶が出てきた。

3枚目。少々わかりにくいがチクシトゲアリによって内部を貪り食われて皮だけになったミールワーム。写真のとおり、刻んだりせずにそのまま入れたから、食うかどうか心配だったのだが・・すごい食欲だ。

4枚目。先の観察日記で述べたチューブにこもったチクシトゲアリの働きアリ。一定数で数の増減はないようだが、個人的には全員が試験管に入ってくれたら・・
2月15日 ムネアカオオアリも腹部が少しであるが伸びてきた。
写真は嫁入りしたミカドオオアリ働きアリとの2ショット。見づらいがスポンジにあけられた穴(写真の右上のほう)に卵も見える。乳白色で美しい。

続いてはクロオオアリ。卵と幼虫がスポンジの上に置かれていたので、撮影した。
1匹だけ幼虫の成長が始まっていて温室に入れる前より大きくなってきている。

最後にクロオオアリの女王。腹部の節は少し伸びている程度で、ボンレス状態にはならない。どうしたら腹部がもっと大きくなるのだろうか?
2月16日 以前、採集してきたチクシトゲアリの単独女王。一向に産卵しない。
今はフィルムケースに濡れティッシュを丸めたものという環境で飼育しているが、最近内部に少し結露が見られるようになってきたので、透明な少し大きな入れ物に入れ替えてやろうかと考えている。この種類の新女王からの育成は4年目さんが去年されていたくらいしか話を聞かないので、ノウハウもよくわからない。
まさに手探りでの飼育になっている。こんなことならチクシトゲアリを採集した日に書いたように幼虫を少し導入してやるんだった・・
2月17日 チクシトゲアリ単独女王を引越しさせた。
2センチ×4センチくらいの画鋲ケース。
観察はしやすくなったのだが、当のチクシさんはどう感じているのやら・・
とにかく産卵して、初子を誕生させてほしいのだが・・
やはり既存のチクシさんコロニーから少し幼虫をいただいたほうがいいのかな・・?
そんなわけで、この単独女王に餌を与えてみた。
餌は2日前にチクシトゲアリコロニーに与えた「バタカーの人工飼料」。
最初は威嚇なのか固まっていたがやがてむさぼるように舐めていた。
この餌はレシピどおり卵を基本とした餌で栄養満点だと思うので、栄養補給にしてほしいものだ。
2月18日 なんということだ!チクシトゲアリの約半数にあたる試験管2本のうち1本にこもっていた者たちが試験管を放棄して餌場に出てきていた。

かわったことといえば排泄物だろうか?試験管のそこの部分がやけに湿っていて今日は少し外に出してる時間があったためか試験管壁面に結露が見られた。
しかし、思い起こせば去年も4年目さんにチクシトゲアリをいただいた当初、なかなか巣部屋に入らなかったので、遁走組のいる餌場には大きなメラミンスポンジを放り込んで様子を見ることにした。
そのドサクサにチクシトゲアリのコロニーから幼虫を20匹ほどいただいて単独女王の元に入れた。それが昨日。今日見たら、壁面に幼虫の塊があった。
世話していくかどうか微妙だが、見ていきたいと思う。
下はふたを開けたので威嚇するチクシトゲアリ単独女王の写真。腹部を曲げて固まるので撮影しやすい。
2月19日 排泄物のため試験管を放棄したのではないか、と思い、さらに掲示板でスラダケ氏から排泄物がしみこむような床材がいいという指摘を受けて巣部屋を今までのアリの飼育容器と同じ100均小物入れに石膏をしいたものに餌場に出ていたアリを収容した。
下がその概要。

しかし、温室においている上に部屋の温度もハロゲンヒーターをつけたらそこそこ上がるので、活性があがっており移し変えには苦労した。
下は移し変えたほうのアリ玉。この中心に女王がいるはずだ(移し変えた直後には無傷でいるのを確認していた)。
2月20日 不鮮明な写真であるが、ムネアカオオアリの卵。少しずつだが増えてきている。

2枚目はこの前幼虫を導入したチクシトゲアリ。うまく世話しているようだ。
何とか働きアリが生まれてくれたら・・
2月21日 チクシトゲアリには飲み水としてフィルムケースのふたに水を張ったものを与えているのだが、なぜかぽつぽつと溺死しているものがいる。
小さなアリならいざ知らず、チクシトゲアリほどのものでもこんなことがあるのだろうか?
こんなことが続くと水を張ったスポンジの投入も考えなくてはならないのかもしれない。
2月22日 チクシトゲアリのコロニーで産卵を確認した。
卵が少なくとも3個はある。アリが玉になっていてなかなか確認できなかったのだ。
しかし、女王の腹部を見る限りボンレスとは言わないまでもかなり大きく、いつ産卵してもおかしくないだろうとは思っていた。
チクシトゲアリ単独女王のほうは産卵は未だ見られなかった。
2月23日 石膏部分にいたチクシトゲアリコロニーの大半がチューブに移ってしまった。
どうもその直前にチューブの側をハロゲンヒーターに向けていたために、狭く暖かいという好条件に惹かれたのだろう。
しかし、今日はよく「バタカーの人工飼料」をなめていた。
この餌、案外大化けするかもしれない。
去年の掲示板の書き込みを見ていたらチクシトゲアリは夜行性の気があるというのがあった。
どうなんだろうか・・?
2月25日 クロオオアリで、成長していた越冬幼虫がいなくなった。
数日前、糞の位置がやけに後方になっていて色艶も悪くなっていたので、繭にでもなるのかと思っていたのだが、姿が見えない。
3ミリくらいの大きさだから、見落とすこともないと思うし、食われたのだろうか・・
このコロニーもムネアカコロニーもコオロギを与えても食べなかったのでバタカーの人工飼料一本なのだが、どうなることやら・・
2月26日 チクシトゲアリの20ほどの働きアリが餌場の一角で団子になっている。
特に何かをするわけでもなく、いったい何をしているんだろう?
そのチクシトゲアリでいよいよ終齢と思しき成長した幼虫が少しだが見受けられるようになった。

女王の腹部も大きく、今後増えていきそうだ。
2月27日 クロオオアリの卵なのだが、最近全体的な色が変わってきているように思う。
最初のころは濃いオレンジ色だったのだが、最近は薄い黄色の卵が増えてきている。

数年前に滅茶苦茶濃い色の卵を産むクロオオアリ女王がいた。
その女王の産む卵はなぜか一向に孵化せずに女王も死んでしまったのだが、濃い色は栄養卵、薄いのが成長する・・なんて考えすぎだろうか。
2月28日 チクシトゲアリの食欲には驚かされる。
コオロギを入れたら翌日には跡形もないし、ミールワームを刻んで入れたら内部の肉の部分だけ丁寧に食べている。
幼虫が多いとこうも違うものだろうか。
チクシトゲアリ女王の腹部が大きい状態はトビイロシワアリのものによく似ているように思う。
腹部の節が伸びてパンパンという風ではないが、大きく、色艶が非常にいい。

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2007年の観察日記(2月)